広島県三原市内で、コンビニエンスストア店員が特殊詐欺被害を阻止するケースが増えている。三原署によると、今年6月までに確認された被害の阻止は24件に上り、11件だった前年同期を大きく上回る。そのうち7件がコンビニ店員のお手柄。従業員間の緊密な情報共有が、とっさの機転や声かけにつながっている。
同期間に被害を防いだ金額は計約644万円で、約59万円だった前年同期の約11倍。阻止したのはコンビニ店員が最多で、高額の電子マネーカードの購入をやめさせるケースが大半という。ほかに金融機関職員や親族が食い止めた。
6月6日には、ローソン三原宮浦6丁目店(宮浦)の店員2人が、3万円分のカードを買おうとする60代女性を説得した。今月8日にはファミリーマート三原館町店(館町)の店長が、70代女性による5万円分のカードの購入を防いだ。
いずれも用途を問われた女性の受け答えが曖昧だったため詐欺を疑ったという。3人は「カードが詐欺に使われるケースが多いのは知っていた。過去の事例も従業員同士で共有している」などと口をそろえる。
同署は3人に感謝状を贈った。西川博志署長は「本当にありがたい。混乱状態で来店する人もいるだろうが、みなさんの意識の高さと勇気ある声かけに救われている」と感謝している。
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